読書は楽し
体がびっくりするような暑さですね。
体調を崩さないように
無理せず気をつけています。
みなさまもご無理ないよう。
そこで涼を感じる画像を一枚。
先日歩いたお寺の竹林です。
よく手入れされていて気持ちのよい空気が流れていましたよ。
気になっていた作家の本を読みました。
上橋菜穂子さん
文化人類学者 小説家
2014年に国際アンデルセン賞を受賞された時に
気になっていた方です。
調べてみると「守り人シリーズ」 などはアニメ化もされているのですね。
「鹿の王」は2015年本屋大賞にもなっているのですから
世間様よりずいぶん遅れての読者ですね。
今回読んだのは次の2冊です。
精霊の木
と
月夜の森に、カミよ眠れ
どちらも児童文学扱いですから
文字も大きくて読みやすい文体です。
だから1日で2冊読めてしまいました。
設定は異なるものの
どちらも祖先からずっと大切にしてきた心のよりどころ
精霊であったり
月の森のカミであったりを
新しい文明と触れることで
人々がどのようにとらえ選択したのかというのが共通でした。
もののけ姫と通じるところがあるのでしょうか。
どちらもファンタジーのくくりですが
歴史的背景をできるだけ外さぬように心がけたという
作者の気持ちを充分受け取ることのできる
読み応えのあるものでした。
そして心動かされる。
ちょうど伊勢市の大好きな古本屋さんで購入した
「古代農民忍羽をたずねてー奈良時代東国人の暮らしと社会」(関和彦 中公新書)
を読んでいるところでしたが
月の森のカミ・・・と時代背景が重なっていました。
月の森のカミ・・・は
九州の小さな山あいに朝廷の力が及んできたところのお話です。
班田収授法が施行されて土地の所有が中央に管理されるころです。
古代農民・・・も現存する正倉院にある戸籍や資料・そのころの文学から
そのころの農民のくらしを推測する内容です。
古代農民・・・を読んでいて
学生時代に呪文のように覚えた[班田収授法]が
すべての土地や民は国の所有であるから
その土地を民に分け与えよう。
その代り稲を作りそれを税として納めよ。という
国をまとめる側の言い分だったことを感じていましたので
月の森のカミ・・・・は
その読書体験のおかげで、深みを持って読むことができました。
国の力がじわじわと広がる中で
苦渋の選択をしていく
小さな部族の人たちの思いを感じると
何とも言いようのない気持ちになります。
戻って
上橋菜穂子さん
比較人類文学者で教授でもいらっしゃる。
オーストラリアのアボリジニと生活を共にし
フィールドワークも行っていらっしゃいます。
支配する力が世界に広がる中で
消えていった民族や知恵を体感されていることに
とても注目しています。
上橋さんはたくさんの本を書いていらっしゃるので
これから読むのが楽しみです。