家のイメージを外空間に広げて/岐阜県多治見市
年内最後の作庭は
岐阜県多治見市でした。
こちらは有建築設計舎さんの自邸。
前からの家をすてきにリノベーションされています。
瓦や扉 壁や床材
使ってある建材や素材、
小さな部品一つ一つにも
こだわりが感じられます。
全体の雰囲気は威圧感がなく
さらっと上品で
カジュアルすぎず
多世代が住んでもなじむ感じが
いいなあと思いました。
この家から受けた印象を
外空間にも滲み出せたらなあ。
その上でそれぞれのご家族がよしとする
落としどころを探っていきたい
と思いました。
玄関先は工事が終わって砂利敷に。
こちらにアプローチを作ります。
180cm×60cm大判の御影石と
60cm30cmの同じく御影石を組み合わせました。
大判の石はなんと重さが1枚400キロです。。
庭を作るためには多くの素材があります。
多くの素材を使うのもいいですが
こちらは「いれない」を選んだというか
あえて多くを入れないようにしました。
一見シンプルに思えますが
石の並びの方向や
奥に続く小路へのつなぎ部分など
大いに悩んだところです。
アプローチ部分を奥から見たところ。
小路は目を旅させてくれるので
よく使うアイテムです。
機能的でもありますし。
今回は洗い出し仕上げです。
これは施工前を知っていると
とても変化のあったところです。
この杉苔の下には動かせないコンクリートの板があります。
しかしここは玄関からの窓からばっちりみえる場所。
古いコンクリートを隠しつつ
何とか見どころにするにはと
建築士さんの意向を聞きながら
工夫していきました。
コンクリートを隠すだけだと唐突になるので
小路の流れに沿うように
タマリュウを植え砂利を敷きました。
玄関の扉も新しくしました。
大谷石はそのままです。
なじんでますね。
玄関からリビングの窓がよく見えるので
樹木で軽い目隠しを。
ソヨゴとコバノズイナを組み合わせて植えました。
こちらは樹を選びに植木の畑までいっしょにいって
選んだものです。
同じ樹種でも形が全く違うし
畑で見るのと実際庭に入れた場合と
ずいぶん印象が変わるので
樹を選ぶのはなかなかのことですが
何とかいい感じに収まりました。
こちらの施工は11月末からで
お正月にご親戚が集まるまでには
施工を終えたいということで
秋深まる内津峠を行ったり来たりしました。
はじめは黄色や赤い葉が美しくちりばめた山を見ながらの移動でしたが
最後には葉もはらはらと落ちて
幹と枝の重なりが美しかった。
秋から冬へと
季節の移り行くさまを
朝に夕に見ながらの施工でした。
あっ、木々の手入れのしかたを
まだお伝えしていませんね!
年明けになってしまいますが
お送りしますね。